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2008年 12月 19日

パトリス・ルコント 『 ぼくの大切なともだち 』

パトリス・ルコント 『 ぼくの大切なともだち 』_e0021191_22475333.jpgぼくの大切なともだち (2006/仏)
Mon Meilleur Ami
My Best Friend
[Comedy]
監督 パトリス・ルコント
脚本 パトリス・ルコント / ジェローム・トネール
撮影 ジャン・マリー・ドルージュ
音楽 グザヴィエ・ドゥメルリアック
出演 ダニエル・オートゥイユ / ダニー・ブーン / ジュリー・ガイエ / ジュリー・デュラン / ジャック・マトゥー / マリー・ピレ / エリザベート・ブルジーヌ / アンリ・ガルサン / ジャック・スピセール / フィリップ・デュ・ジャヌラン
goo映画にて詳細

●パトリス・ルコント監督の『ぼくの大切なともだち』を観る。これがものすごく良い映画で、今年の3本には入るくらい。そもそも僕はルコント作品はあまり入り込めないところがあって、一番気に入ってるのも『列車に乗った男』だったりする、わかってないヤツなんだけど、なんつーか、ある種のエレガントなイメージから、チカラが抜けた作品のほうが、僕は好みかもしれない。終盤のクイズ番組のシーンは、あまりにベタなもので腰を抜かしてしまうけど、けど、その普段着なところになんとなく監督の人間味を感じるかもしれない。まああれだ、僕は人間ができてないし経験不足なので、マナーも含め大人の世界がまったく理解できていないんだけど、そういう僕からすると、(知っているのに)チカラを抜いている大人には、何となしの魅力を感じたりもするんだよな。

友達・親友・・・。いるんだろうか、いないんだろうか、よくはわからない。基本、毎日仕事だし、夜は家で音楽・映画なので、ほとんど出歩かない。なので、必然的に誰とも会わないし、友人を作る機会もない。仕事上では、それなりに人に合うし、同じような仕事をやっている同年代の人に同調性を感じることもある。だからと言って、友達感覚になれるかと考えると、そうじゃないような気もする・・・第一、僕からアプローチすることがない。たとえば、このブログ、もしかしたら訪れてくれた人で、「こいつ、俺と趣味が合うな」と思ってくれる人がいると仮定して、なんでその人と友人になれないのだろうか。同じ趣味なら、きっと話すことも感覚も近いかもしれない。でも、友人になれないのは、それはなぜなんだろう。逆に、一緒にライブ行くような友達がいるとして、その人をライブに誘うとする・・・一人で行くのが心細いから。その場合、友人の満足度はある程度知らないふりをされる可能性があって、またこちら側も友人が一人で心細い場合には手助けをし、60%くらいの満足度のライブに行くこともあるかもしれない。これは、友人関係なんだろうか・・・ちょっと僕にはよくわからない。確かに以前は何かにつけて友人の手助けを借りていたけど、それはこちら側の都合でしかなくて、友人の心境を考えていなかった。今でも反省している部分はあるけど、きっと友人ってのは、もっと自由が関係性じゃないかと思うこともある。だって、友人のために60%のライブに行くことは、お互い気を遣う気がするし相手に失礼な気もする。別にライブじゃなくとも、何々のために友人を誘うってのは、はたして大人の関係なのか・・・そういう人が僕にはいないのでイマイチわからないんだけど、でも、一緒にいなくても・たまにあっても、関係を確認できるのが友人じゃないのかとは思うところはある。

たぶん、ある程度の年齢を超えると、自分の都合を優先せざるをえなくなるんだな。時間的な問題もあるし、相手の状況(家族・恋人)もある。だから、いかに一人で楽しめるかが重要だとは思うんだけど、でも意外と一人で楽しんでいるほうが、誰かが寄ってくる可能性もあるんじゃないかとは思うけど・・・。この映画でもそうだけど、結局はどういう関係が親友であるのかってのは、お互いの空気感なのかもしれないな。それは、時間でも金でも仕事でもなく、触れ合ったときの感触。そういう人を探すのは至難の業なんだけど、なんで僕は一人なんだ・・・きっと無愛想で空気読めなく感じが悪いからだろう。でも、不思議だ・・・きっと世の中の人は、自分の親友だと思っている人には、時間や場所の都合でなかなか会えなくて、大して何も思っていない仕事関係の人とか近所の人とかと、一緒の時間をすごく場合が多くなる。そして、なぜか親友と疎遠になってしまう・・・これってかなり悲しいことなんじゃないかと思う。その点、ルコントはやっぱり大人だ、★★★★★。ほんとに近所の古い友人、最近挨拶は良くする。ただそれが車の中からだったりするから、話す機会がなかなかない。ほんと近所で10分以内だけど、彼の家に行く気は出てこない。なぜなのかと考えると、中学以来話してないから、何を話していいのかわからないからじゃないかと思う。だから実際は、話が合うかもしれないし、友人になれるかもしれない。こういうのさっぱりと出来る人はすごいと思うな、誰にでも声をかけられる人。ただ、僕はあまりそうはなりたくない、だから今のまま。学生時代のカラ元気を装う友人関係は疲れるよな。

by nyankoronica | 2008-12-19 00:30 | 映画- ヨーロッパ


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